■どこまでも秘境の山域

麓の奥祖谷かずら橋(撮影:satton♪

 剣山~三嶺は登っても下りても、どこまでも秘境が続く縦走路だ。どの時期に来ても四季折々そのままの自然を体験できるが、縦走はロングトレイルのため豊富なルートを取捨選択して、自己の体力や経験に合わせて計画してほしい。

 下山路で出会った男性は高知県の方で、彼らは三嶺のことを「さんれい」と言い、徳島の人は「みうね」と言うことを教えてもらった。独特の登山スタイルで、毎年庭に生えてくるという大きな竹をストック代わりにしているそうだ。

 また、縦走路で何度か挨拶した若い男女4人パーティと夕飯に訪れたうどん屋で再会した。山ではタフそうに見えたが、下界では最近のおしゃれな若者の顔で、人懐っこく話しかけてくれた。一期一会ではあるが、遠征登山ではこのような出会いと別れの小さな人間ドラマが、登山と同じくらい素敵ではないだろうか。

 

※この記事の情報は2022年11月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。