■“ニペドン”とは
ニペソツ山の山頂の少し手前にある前天狗にて、晴れた日に山頂方面を眺めると、あまりの堂々たる山体のカッコよさにドキドキしてしまう登山者が続出している。天狗岳越しのニペソツ山頂、誰もがここでシャッターを切る人気スポットだ。
ハートをわしづかみにされた彼らは、愛をこめて“二ペドン”と呼んでいる。どうやらその使われ方には2種類あって、二ペソツがドーン!というそのままの意味で使う場合と、「壁ドン」の山バージョンの新しい言葉として、恋に落ちる時の衝撃的な気持ちを表現する言葉として使う場合がある。
■ニペソツ山の基本データ
北海道では珍しい2,000m峰で、アルプスのように尖った鋭鋒。日本百名山の著者、深田久弥が未踏だったため本で紹介できず、「ニペソツには申し訳なかった」と後悔するほど、すばらしい山との評価を得ていた。しかし、百名山を選定しなおすと発表した矢先に彼が急逝したため、「幻の百名山」と言われている。のちに深田クラブにより二百名山に選定されている。
メインルートだった十六の沢コースは、2016年の台風による林道の被災により長らく閉鎖されており、現在は幌加温泉コースのみ通行可能となっている。単調で長いルートのため、二ペドン撮影のための前天狗までの計画であっても、長時間の山を歩き慣れた中級以上の登山者向けだ。
●参考URL:幌加温泉コース登山口
トイレはないが、ブースが2ヵ所あるので携帯トイレを持参する。クマが多いので、鈴や笛、ラジオ等は必需品だ。体力や技術に不安がある人は、前天狗のキャンプ指定地にテント泊するツアー等に参加するのがおすすめだ。