奥深い山が多い南アルプスにあって、塩見岳は体力や登山時期によってはかろうじて日帰りが可能です。とは言っても、山頂までの道のりは遠い。天気を吟味して、確実に晴れて快適に登れそうなタイミングで登ってきました。

■塩見岳とは?

三伏山から見た塩見岳。ドーム型と独立峰の山容が分かる

 塩見岳は長野県と静岡県にまたがる標高3,052mの山で、長大な南アルプスのほぼ真ん中に位置しています。山頂はわずか100mの距離で西峰(3,047m)と東峰(3,052m)に分かれ、コブのような形。遠方から見るとドーム型をしており、独立峰のような山容をしています。また、「日本百名山」の中で“富士山が最も美しく見える距離と位置”と知り、富士山を眺めることも楽しみにしていました。

 今回は、鳥倉林道からのルートを歩きました。このルートは山頂付近に出るまで一度も富士山を見ることができないので、待望のその姿を見たときは感動もひとしおです。

■アップダウンの続く登山道

山頂直下の核心部の岩場を登る

 最初は、カラマツ林の急な坂が続きます。なんとも信用ならない(怖がりなんです)木道が設置されていました。転んだり踏み抜かないように慎重に歩きました。その先は緩やかな道が続き、樹林帯を歩いていると少し視界が開けるところがあるのですが、そこから目指す塩見岳が見えました。「あんなに遠いの?」が感想でした(笑)

 三伏峠小屋の先に三伏山、さらに本谷山と小さなピークが2つあり、この登り返しがなかなかハードでした。塩見小屋の手前でようやく稜線に出ることが出来でき、360度の景色に足取りも軽やかになります。塩見小屋の先もいったん下り、そこから急な岩場を登ります。核心部は慎重に!  山頂直下はなかなか楽しい道でした。

■秋の醍醐味! 絶景登山

南アルプス北部の主峰たちと

 稜線に出ると素晴らしい南アルプスの眺めが待っていました。塩見岳は南アルプスの中心ですから、360度の素晴らしい眺望でした。たくさん写真を撮ったのでぜひ見てください。

 仙丈ケ岳、甲斐駒ヶ岳、北岳、間ノ岳、農鳥岳、長い仙塩尾根も印象的で、「歩いてみたいなぁ」と思いながら、塩見岳から見る絶景を堪能してきました。富士山は雲海に隠れ気味でしたが見られて良かった!  深い深い南アルプス!  もっと訪れたいです。