南アルプスの魅力は、一つのひとつの山が大きいこと。さらに、存在感のある富士山の勇姿を眺められる場所が多いのも嬉しいです。今回登った山は鳳凰三山です。南アルプスの北部にあり、「地蔵岳」「観音岳」「薬師岳」の三山を総称して「鳳凰三山」と呼びます。「鳳凰山」として日本百名山にも選定されています。
ひときわ目を引くのは、地蔵岳の頂上にあるオベリスクです。他では見ることのない奇岩で、岩の花びらのようにも見えます。幻想的で非常に特徴的です。
■新緑の樹林帯を抜けて
夜叉神峠登山口から登りました。夜叉神峠からは、目の前に北岳、農鳥岳、間ノ岳の白峰三山のかっこいい姿が見ることができるので、これからの長い樹林帯歩きも、稜線での景色が楽しみになり一層頑張れます!
この日は雲海に浮かび上がる白峰三山を見ることができ感動しました。樹林帯は新緑が目にまぶしく、静かで涼しい中を緑を楽しみながら歩くことが出来て快適。苺平を過ぎると日の当たらない登山道に残雪がありました。(適度に締まっていて)終始、ツボ足で登ることが出来ました。南御室小屋を過ぎると登りがきつくなり、樹林帯のラストスパートがなかなかのしんどさを感じます。
■展望のいい稜線歩きはビクトリーロード
長い樹林帯を経て、森林限界を迎えると一気に展望が開け、真っ先に飛び込んでくる景観は圧巻の北岳! 5月下旬でもまだ雪が残っている様が素晴らしくかっこいいです。またここから見る北岳は大きくて近い!! ここまで5時間弱歩いてきていますが、この景色を見た瞬間に疲れは吹き飛んでしまいました。薬師岳に向かっている背後から、雲海に浮かぶ富士山が私たちを静観しています。振り返る度に惚れ惚れします。
三山の間はそれぞれ1時間前後の距離があるので、稜線歩きが楽しいロングコースで、まさにビクトリーロードです。ただ細かいアップダウンがあります。登りになりきつくなると「ファイトー!」と声を出していました。
■ようやく対面できたオベリスク!
私の一番の目的だったオベリスクは、夜叉神登山口からだと一番最後に鎮座しています。以前、薬師岳まで登ったこともあったのですが、姿を見ることも叶いませんでした。オベリスクは観音岳に登頂してようやくその奥に姿を見ることができました。
遠くから見ても魅力的でしたが、近くでみると大きくて存在感がありました。花びらのような形をしていて可愛さもあるように思います。空に浮かぶオベリスク! 自然にできた岩の塔…… 雄大でかっこよかったです。