甲斐駒ヶ岳(標高2,967m)は、南アルプスの北部に聳える山で花崗岩質の山肌は白っぽく、男性的な山とも言われています。要するにイケメンな山です! 北沢峠からの登山道がもっともポピュラーですが、伝統的に修行参りに使われていた登山道の「黒戸尾根」をたどるコースも魅力的です。
日本でも有数の体力を要すルートで、標高差はなんと2,000m以上! 「日本三大急登」としても知られていますが、なかには日帰りで達成してしまう健脚の人もいます。いよいよ本格的な夏山シーズンの始め。長大な黒戸尾根から山頂を往復してきました。
■歴史を感じる黒戸尾根を歩く!
竹宇駒ヶ岳神社を通り、尾白川渓谷にかかる橋を渡るといよいよスタート(午前3時)! 「十二曲り」と呼ばれる針葉樹林帯の登りが延々と続きます。「笹ノ平」まで来ると緩やかな道になり、「八丁坂」から再び急登が始まります。撮り忘れましたが登山道に祠があり、一合目、二合目と目安になっているそうです。それを知ってる方がいいのか知らない方がいいのか……。「長いな〜」と本当に感じます。
登山道の傍の石碑や石仏、祠などに信仰の深さを感じます。山頂までの道のりにたくさん祀られています。「仙人が集い、俗世の者は入山が許されない」とされた山。小尾権三郎によって開山された後、多くの人々から崇められてきたことを感じます。
■ロマンをかきたてられる!?
苔の道になり雰囲気が変わってきたと感じるところで難所「刃渡り」が現れます! 富士山も見えます。刃渡りを通過するとすぐに現れる“やせ尾根”、そこから梯子の連続……。「いよいよ黒戸尾根らしくなってきた!」と、すでに3時間は歩いていましたが気持ちが新たに高まります。四合目にあたる刀利天狗(とうりてんぐ)は、標高2,010mで「北沢峠」とほぼ同じ高さだそうです! 北沢峠まではバスで来ることが出来るけれども、歩いてきたことにロマンを感じます……(笑)
■連続する難所! くれぐれも慎重に
黒戸山の山頂をトラバースするように登り、一旦下ります。下りきった所が五合目の平坦地(小屋跡)です。ここから「七丈小屋」の建つ七合目まで、また梯子や鎖の連続となります。ほぼ垂直、高度感がある梯子もあります! 開山に3ヶ月もかかったそうですし、昔の人はどうやって登ったんだろう……。ふと、そんな考えが頭をよぎります。
七丈小屋から上もまた雰囲気がかわり、ダケカンバの林になります。森林限界付近、展望が良くなるところが八合目です。ここから山頂までは鎖が設置された岩場が数ヶ所現れ、高度感があります!
インスタでもお馴染みの岩に刺さる二本の剣や「サメ岩」など見所もあります! これに憧れてる人も多いはず。