■まずはイルカの群れを発見

遠くの海面にイルカの群れがいくつも潮を吹き上げているのが見える

 移動中には乗務員がこの海域で見られる海生哺乳類の種類や特徴について写真とともに説明してくれる。すると最初にイルカが姿を現わした。乗務員が「左前方」や「1時の方向」などと見える方向を示してくれ、目を凝らすと、潮を噴き上げる噴水のような小さな水柱がいくつも見える。このあたりはイシイルカがよくいるそうで、群れが遠くにいるかと思えば、船の近くでいきなりジャンプをしたりする。

■目当てのマッコウクジラにご対面!

この日は2頭のマッコウクジラと出会えた

 マッコウクジラがいそうなポイントにくると、船を停めて水中にマイクを入れ、クジラが発するクリック音を探す。その音を探知したのか、いきなり船が勢いよく動きだした。アナウンスされた方向を見ると、海面にたたずむマッコウクジラの姿。オスのマッコウクジラは大きいものだと18mほどになるという。見えているなめらかな背中は体のほんの一角なのだろうが、それすら「大きい!」と感動する。しばらく潮を吹き上げていたが、しばらくすると体を前後にゆすりはじめ、海に潜った。そのとき大きな尾びれが持ち上がり、客席から大きな歓声があがる。

 乗務員の説明によると、ひと蹴りで深海に沈み込むクジラの尾びれの威力はすさまじく、「潜った場所には大きな輪ができる」だのという。マッコウクジラが海に消えたあとも、その輪を眺めながら大迫力の余韻を味わった。

マッコウクジラの尾びれが水面から現われる瞬間は感動ものだ