■上流へ車を走らせ、安居渓谷へ

 さらに上流にある安居渓谷は、仁淀川の中でも最もきれいな水が見られることでも知られている。中津渓谷よりも山奥にあり、より豊かな自然を肌で感じられる。鮮やかな緑の夏も魅力的だが、たくさんの紅葉が色づき、燃えるように赤く染まる秋もまた美しい。

秋には鮮やかに色づく紅葉が見られる(撮影:プリチャード香里

 安居渓谷には宝来荘という宿泊施設があり、そこが安居渓谷への入り口となっている。入り口を抜け遊歩道に出ると、大きな岩や石に囲まれた川が見えてくる。

 川は遊泳可能で、筆者も真夏は浅瀬で川遊びを楽しんだ。濁りもなくゴミもない川での水遊びは体がベタつくことや、臭いが気になることもなく、むしろさっぱりするくらいだ。

川底の石。透明度が高すぎて、水があると思えない(撮影:プリチャード香里

■仁淀ブルーの中の仁淀ブルー、水晶淵

 入口から1kmほど奥に行くと、仁淀ブルーの頂点、透き通った濃い仁淀ブルーが見られる「水晶淵」に着く。まるで大きな水溜まりのような様相だ。水の色とは思えないほど鮮やかなエメラルドグリーンは、圧巻の一言。

何かで色をつけたような、エメラルドグリーンの水晶淵(撮影:プリチャード香里

 その突き当たりには砂防ダムがあり、山からの水が直接流れている。その下の溜まりの水が、晴れた日には真っ青に見えるとあってこちらも人気だ。

 宝来荘から景色を眺めながら歩いてもいいが、水晶淵の近くにも駐車場がいくつかあるため、そこから下ってもよい。

砂防ダムの仁淀ブルー(撮影:プリチャード香里

■季節や時間、天候によって変わる見え方を楽しもう

 川だけでなく、その周辺の自然美も含めてたくさんの見どころに溢れている仁淀川。天候の違いはもちろん、1日の中でも太陽の位置によって色の濃淡が違って見える、仁淀ブルーの美しさは一見の価値あり。

 連休や週末は混み合うこともあるので、余裕を持って訪れたい。

●中津渓谷

住所:高知県吾川郡仁淀町名野川
駐車場:中津渓谷駐車場(数台のみ)

徒歩5分程度の距離にある旧名野川小学校の校庭も駐車場として開放されている。

●安居渓谷

住所:高知県吾川郡仁淀町大屋
駐車場:安居渓谷駐車場

●水晶淵駐車場

●水晶淵上駐車スペース