新型コロナウイルスの感染拡大により中止されていた「青森ねぶた祭り」。3年ぶりの開催となった今年は、感染症対策のため、ねぶたを盛り上げるために重要な踊り手「跳人(はねと)」が自由参加から抽選制へ変更となった。

 運営方法の変更を余儀なくされたが、それでも日本を代表する祭りの開催は、地元だけでなく日本全体に勇気を与えた。

 時を同じくして、扇形の山車に錦絵が書かれている「弘前ねぷた祭り」、高さ20mを超える、迫力ある山車が特徴の「五所川原立佞武多(ごしょがわらたちねぷた)」も開催。

 今回は熱気に満ちた祭りとともに、「奥入瀬渓流」と「八甲田山」の眩い緑を満喫しながら、青森が誇る名湯&秘湯を味わう旅を紹介する。

夏の「奥入瀬渓流」(撮影:すがぬま)

■湯治場として栄えた「蔦温泉」

ブナの原生林の中、静かなときを楽しむ「蔦温泉旅館」外観(写真提供:青森観光情報サイト)
床底から源泉が湧き出る蔦温泉の「久安の湯」(写真提供:青森観光情報サイト)

 静かな湖面に映るブナの原生林が美しい、「蔦沼(つたぬま)」のほど近くに建つ蔦温泉。プロレスラーのアントニオ猪木が、蔦温泉の近くに墓碑を建立したことでも知られている。

 平安時代からこの地には湯治小屋があったとされ、千年近く源泉が湧き続けている。国道103号沿いに現れる看板の脇道を入ると、蔦温泉旅館が目の前に現れる。建物は昔ながらの木造で、館内にはほどよく光が差し込み、心地よい雰囲気を作り出している。

 2つある浴場のうち「久安の湯」は時間帯別の男女入れ替え制だが、男女別の「泉響の湯」でも、浴槽の床底から湧き出る源泉が楽しめる。源泉は湧き水により温度調整されているものの、泉温は約45℃と高温。慣れていないと入浴するまでに時間を要するが、肩まで浸かれたときの達成感は、入浴した人のみが味わえる醍醐味だ。

●蔦温泉

・住所:青森県十和田市奥瀬字蔦野湯1     
・電話:0176-74-2311

・ホームページURL https://tsutaonsen.com/

※営業日時、利用料はホームページよりご確認ください