岡山県を貫くように南北に流れる旭川(あさひがわ)。県東部の吉井川、西部の高梁川とともに「岡山三大河川」の一つに数えられる。
川沿いには名所が多く、特に上流部は観光地として名高い蒜山(ひるぜん)高原をはじめ、大小の渓谷や滝、情緒あふれる町並みなどの見どころが満載。なかでも、露天風呂番付で「西の横綱」に認められた湯原温泉には、旭川の清流や雄大なダムを眺めながら湯に浸かることができる「砂湯(すなゆ)」がある。
そんな旭川のスポットのなかから、地元ライターが厳選した5つの「水の風景」を紹介する。
■岡山三大河川の一つ「旭川」とは
旭川は、蒜山高原に源を発し、岡山県中部の吉備高原を貫流したのちに、岡山平野を経て瀬戸内海に注ぐ。本流の総延長は142km、支流を合わせると825kmにもなる。
北海道旭川市が「あさひかわ」と濁らないのに対し、岡山の旭川は「あさひがわ」と濁る。
■蒜山登山に必携 源流部に湧く「塩釜の冷泉」
旭川の最上流部にあたる中蒜山(1,123m)の裾の谷間から湧き出る天然水で、環境省の日本名水百選に指定されている。源泉から直接ではないが、中蒜山の登山道入り口に水くみ場がある。そのまま飲んでもおいしいし、焼酎と割って飲むと味に深みが増す。
旭川の源流は、ここから12km南西にある「朝鍋鷲ケ山(あさなべわしがせん)」という山なのだが、この塩釜の冷泉近くにも「旭川源流の碑」が立っている。母なる川の源から湧く名水は、多くの登山客に愛飲されている。
●塩釜の冷泉
所在地 岡山県真庭市蒜山下福田27-50(取水場)