京都府南丹市(なんたんし)は、「かやぶき屋根」の民家が数多く残り、国内有数の田園風景が広がる町。夏は期間限定で、その上空を「気球」で体験飛行できるのもロマンが感じられる。

 さらに、「日本最後の城」と呼ばれる「園部城跡」や、デザインが美しく「日本建築学会賞」を受賞した「日吉ダム」も有名な観光地だ。グルメでは全国各地の鮎を塩焼きにしてその美味しさを食べ比べる「清流めぐり利き鮎会」で準グランプリを5回受賞している「美山の天然アユ」が魅力。

 今回は緑が生い茂る夏からススキが見える初秋まで、懐かしい日本にタイムスリップするような気分が味わえる南丹市の観光プランを紹介する。

■日本の田園風景広がる「かやぶきの里」

日本の原風景が残る風景を眺めると穏やかな気分になれる(写真提供:南丹市美山観光まちづくり協会)

 まさに、時が止まったかのような雰囲気だ。美山町の「かやぶきの里」は、集落全体の8割におよぶ約40戸のかやぶき民家が建ち並び、背景には田園風景が広がる。国の重要伝統的建造物群保存地区で、伝統的技法による建築物群として歴史的景観の保存度への評価も高い。

 かやぶき屋根をはじめ、周囲は現代的な要素が極めて少なく、その場で景色を見ていること自体が観光と思えるほど、日本の原風景が残っている。美化や手入れが行き届き、すっきりとしたきれいな印象の町には、年間を通して多くの観光客が訪れる。

 地域には、かやぶき屋根を利用したカフェやレストラン、資料館、宿泊施設などがあり、昔ながらの空間で落ち着いた時間が過ごせる。そして「かやぶき屋根」が主役の町にいるだけで、新しい体験をしているような不思議な感覚になる。

●施設情報
かやぶきの里
・所在地:〒601-0712 京都府南丹市美山町北

・URL:https://kayabukinosato.jp/visit/

■【MAP】かやぶきの里周辺

■期間限定で楽しむ「気球飛行」

今年の夏も気球の乗船イベントを実施し、参加者は優雅な飛行を体験した(写真提供:「京都るり渓谷温泉for REST RESORT」)

 南丹市では、温泉やレジャー施設を運営する「京都るり渓谷温泉 for REST RESORT」が夏に気球の乗船イベントを実施。期間限定(7月下旬〜8月中旬)だったが、貴重な体験を求める観光客も多く、市内の空を優雅に飛行した。

 乗船して上空で体いっぱいに風を浴びながら大自然の景色を堪能できる心地よい体験。地上から自然と調和する気球の絶景を眺めるのも風情があって癒されるひとときだ。