年々、ペットと一緒にキャンプを楽しむキャンパーが増え続けており、同時に夏場になると暑さによるペットの事故も多発している。特に犬は暑さに弱い動物のため、熱中症になりやすいので注意が必要だ。

 筆者もよく愛犬と一緒にキャンプに出かけるが、飼い主はペットが熱中症になったときの対処法を覚えておくべき必要がある。

 犬は人間のように皮膚に汗腺がなく、汗をかけない。そのため体温が上昇しやすく、熱中症になりやすい体質なのだ。

 本記事では現役16年目のトリマーである筆者が、初心者でもできるペットが熱中症になった時の対処法、応急処置について詳しく紹介する。

■熱中症<軽度>の症状と対処法

暑さを感じ、パンティングをしている犬の写真(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 犬がハアハアと口呼吸をする行動を「パンティング」という。犬はパンティングすることで体温を下げるが、この段階では暑さを感じているだけのため、そこまで心配する必要はない。

 パンティングをはじめたら、コットの上、イスの上、エアマットの上など、地面から少し離れた距離に犬を置いてあげるとよい。そうすることで、太陽の照り返しや地面の温度によって犬の体温の上昇を防げる。

 犬は軽度の熱中症になると、パンティングに加え、大量のよだれが出る。この状態は危険信号で、迅速に対応する必要がある。すぐに室内など涼しい場所に犬を避難させよう。

 軽度の熱中症は水を飲ませるだけではなく、涼しい環境に移動させ体温を下げる対応が重要。この熱中症のサインを知らない飼い主が多く、気づかずに遊ばせてしまい、ここから重度の熱中症になり倒れてしまう犬が多い。