■これが核心!? 登山口へのアクセス方法

羅臼岳登山のシーズンは7月から9月上旬がメインシーズン。ウトロ側からの登山口は岩尾別温泉ホテル地の涯の奥にある。ここまでの公共交通機関がないため、レンタカーなど車で移動するのが一般的だ。最寄りのバス停からは徒歩で1時間15分ほど。ちなみに筆者はこの区間でも何度かヒグマを目撃したことがある。知床では、どこであろうとヒグマの生息地であることを忘れてはならない。
「ホテル地の涯」は道路の突き当たりにあり立派な駐車場があるが、そこは宿泊者専用のため登山者が車を停めることはできない。ホテル駐車場以外の駐車スペースは僅か数台分しかなく、実質そのスペースに停めることは難しい。そのため、道路に路上駐車をすることになるが、車の停め方には十分配慮したい。
沢側の路肩は崩れやすいので山側に寄せて停めるが、緊急時の大型車両が通行できるように、狭い場所には駐車せず、道が広い場所を選んで停めておこう。
■登山道の注意点とヒグマ対策

近年、ウトロ側の登山道は整備が行き届いているので、昔と比べると非常に歩きやすくなった。行程が長いこと、山頂手前の岩場以外は、概ね歩きやすい道だ。途中に山小屋やトイレはないが、携帯トイレブースが「銀冷水」という場所に設置されている。
多くの人が気にするのはヒグマとの遭遇かもしれない。一般的に推奨される熊鈴にヒグマの撃退効果はない。知床のヒグマは人との距離が近すぎて、人に慣れすぎている。不必要な接近を避けることが一番で、ヒグマが警戒して唸る声などを聞き逃さずに、ヒグマの存在を感じたらすぐに立ち止まり、ゆっくりと距離を保つのがセオリーだ。
それでも接近してしまったときのために、熊スプレーを携帯することが推奨されるが、このスプレーを噴射するというのは最後の手段だが、絶対的な撃退効果があるわけではないことは覚えておこう。自然を満喫することには必ずリスクを伴う。それ故に魅力も大きい。世界遺産知床の大自然は、そんなワイルドな世界だ。