■艶やかな花々の共演! ニッコウキスゲはこれからが旬・志賀高原

 今年はニッコウキスゲの“当たり年”らしいぞ! そんな話がちらほら聞こえてくる。志賀高原のニッコウキスゲも話にたがわず咲き誇っていた。

 国道292号線の坂道を上がっていくと、最初に見えるのが「サンバレースキー場」の斜面。敷き詰められたようにぎっしりと黄色い花が涼風に揺れていた。道沿いにもポツポツと咲き始めているニッコウキスゲは、開花する標高をこれからどんどんと上げていくようだ。少し開き出したニッコウキスゲのつぼみが、そう教えてくれていた。

前山サマーリフトからほど近い渋池。ワタスゲが風に躍っていた

 ニッコウキスゲの他にワタスゲも見逃せない。「硯川駐車場」からスタートする池巡りのトレイルのワタスゲもいい感じに見ごろを迎えていた。ニッコウキスゲとの共演も、もう間もなくだ。

怪しげなフォルムと色。ギンリョウソウ

 体力に自信のない方も、「前山サマーリフト」を使えば、花の上を空中散歩ができる。リフト降り場周辺にはワタスゲが踊る池塘や、高原風景をお手軽安全に堪能できるスポットがたくさんある。しかも、この先の渋池・四十八池湿原までは、とてもよく整備されたトレイル。リフト降り場から、ゆっくり行っても1時間もかからない。渋池も四十八湿原もワタスゲ、アヤメ、コバイケイソウ、ベニサラサドウダンが咲き始めている。幻想的な四十八湿原までは、この時期推しのトレイルだ。休憩スペースや緊急時用のトイレもあって安心。歩きやすい服装や靴、十分な水と行動食をもっていけば素晴らしいフラワートレッキングになるはずだ。

ベニサラサドウダンのトンネルを抜けて

 物足りない人には赤石山までのトレイルがオススメ。今回は四十八湿原から鉢山方面へ途中から群馬県境トレイルを、部分的に歩くルートで、時折見える大沼池のブルーが素晴らしい。赤石山までの最後の登りには、大きなベニサラサドウダンが花のトンネルのように咲き始めていた。山頂から見下ろす大沼ブルーはまさに絶景! 体力に自信のある方は、ぜひその目で確認してほしい。

■幸せの黄色い花を探すには……

 暑い時期の標高の高いトレイルは格別だ。日陰に入ると天然のクーラーで、最高に気持ちいい山歩きが楽しめる。それでも日差しは強く湿度も高いと飲み水はすぐに減っていく。今回紹介したトレイルは。特に危険な個所はないが準備はしっかりとしたい。赤石山ルートで行動時間は約6時間。2.5リットルの水も2リットルは飲み干した。万が一や、同行者のための予備も考え、十分な水やミネラル補給アイテムを用意したい。

 快適な装備や準備でこの夏、それぞれの幸せの黄色い花を探しに出かけてみてはいかがだろうか。