いよいよ夏本番! 日本百名山、会津駒ヶ岳のお花畑が彩り鮮やかだ。標高2,000m付近は、コバイケイソウ、ワタスゲ、チングルマ、イワイチョウ、ハクサンコザクラと種類も豊富だ。登山中の尾根筋にもギンリュウソウやヤマアジサイ、シャクナゲなど、盛んに花をつけているものや、これから咲かせようと大きなつぼみを付けている植物もたくさんあった。
会津駒ヶ岳は福島県南会津郡桧枝岐村に位置する標高2,133mの山。山頂付近の稜線には大湿原が広がり、大小様々な地塘が点在する。森林限界を超えた大湿原には木道が整備されて歩きやすい。広大な稜線に一直線に延びていく木道は、大自然の景観をキリッと引き締めるのに一役買っているように思える。空の青を映しこむ地塘群、コバイケイソウの大群落がそよぐ光の斜面、大展望のテラス……。そんな雲上の花の楽園、真夏のワンデイルートを紹介したい。
■標高差1200m! 滝沢ルートを登る
7月25日6時、滝沢登山口着。朝食を食べながら登山の準備をした。駐車場には誘導の人がいて、路肩を上から順番に埋めていく方式。わりと早く着いたつもりだったが、それでも真ん中ぐらいだった。この時期は朝と日中は晴れていても夕立が降る場合が多い。「早出早着を心がけて!」と、地元の方も言っていた。
荷物の軽量化を図りつつも、携帯食やレインジャケットを準備しておく。行程は長く日中は暑いだろうと思い、水は多めに2.5~3Lを各自準備した。アブも多いので虫除けは必需品だ。7時、登山口を登り始めた。
急な階段を上るとミズナラなどの深い緑の森となる。緑のカーテンは日差しを遮ってはくれるものの、風は止み気温はグングン上がっていく。夏の山旅らしく、噴き出す汗もそのままに急な坂をグングン登った。植生もミズナラからブナへと変わりはじめ、コース中間の水場に到着した。ここまで1時間半、悪くないペースだ。ここからまた1時間半、ブナからダケカンバそしてオオシラビソと植生が変わっていく。その足元にポツポツとコバイケイソウやイワイチョウが見え始める。時折のぞく、解放感のある展望に期待が膨らむ。登り始めて3時間、ついに樹林帯を抜けると素晴らしい景色が待っていた。