■広大なキャンプサイトが設けられる、日本最大規模の野外音楽イベント「フジロックフェスティバル」

期間中は会場内のいたるところにもテントが見られる

 1997年から開催されている、日本のロック・フェスティバルの先駆けとなるのが「フジロックフェスティバル」。日本国内のみならず世界的にも有名なイベントで、行ったことはなくても名前だけは知っているという人も多いかと思う。

●フジロックでのキャンピング

 1999年から現在にいたるまで新潟県の苗場スキー場で開催され、スキー場の広大な土地を利用したキャンプサイトでは、毎年約2万人ものユーザーがテントを張って宿泊する。

 キャンプサイトでの宿泊には別途キャンプサイト券の購入が必要だが、会場近隣のホテルなどに宿泊する場合と比べて、格安な料金で済ますことができる。宿泊のために、会場の外に出て徒歩でホテルなどと行き来することを考えれば、キャンプサイトのほうがより近いため、時間の節約にもなる。

 キャンプサイトはライブステージとは別の場所にあるが、テントの中でも音楽が常に聴こえてくる距離なので、ロックフェスと一体感のある特別なキャンプが味わえる。メインゲートから近い場所や平らな場所は人気があるため、前夜祭が開催される木曜日の昼にはほぼ埋まってしまう。

 スキー場の斜面にテントなどの荷物を運ぶのは、かなり体力を消耗する。テントを設営した頃には全身が汗でびっしょり。しかし、気づけば大自然の中で常にうっすらと音楽が聴こえてくる空間で、フジロックの楽しさに取り込まれてしまっているはず。

●フジロックならではの楽しさと注意点

選びきれないほどにさまざまな「フェス飯」の屋台が立ち並ぶ

 キャンプの醍醐味であるバーベキューや焚き火は禁止となっているが、多数の屋台から好きなものを選んで食べる「フェス飯」が味わえるのは大きな楽しみの一つ。

 フジロックには例年のべ10万人以上の客が訪れるため、複数あるライブステージを移動する間の通路もたいへん混み合う状況。昨年2021年はコロナ禍ということもあって、来場者は3万5000人にとどまったようだが、今年はもっと大勢の集客が予想される。

 組み立て式のチェアは、人混みの中で折りたたまずに持ち運ぶ危険な客が多かったため、持ち込みが禁止となっているので注意してほしい。

 キャンプサイトには無料で利用できるシャワーもある。近隣のホテルの浴場もフジロックの来場者向けに利用が可能な場所が多い。どちらにしても混雑するので、ファンが多い人気アーティストのライブ時間など、人が少ない時間を狙って入ることをおすすめする。

 イベント開催中の期間(2022年は7月下旬)は会場の天候が変わりやすく、大雨や強い風に見舞われる可能性もあるため、テントにはガイロープを取り付け、浸水や風でテントが飛ばされないようにしっかりと設営したい。筆者は初めてフジロックに参加した際には、テントの設営が甘かったために夜間に強風で壊れてしまい、車の中で一夜を過ごすという失敗を経験している。