■ストレスだらけ! 恐怖のトイレ

 高所でのトイレは、私にとってかなり大きなストレスだ。登攀中も常に、「催したらどうしよう」という恐怖に苛まれているが、壁の中で幕営中のトイレほど恐ろしいものはない。

 登攀中はハーネスロープを結び、原則的にどこかに確保を取っている。しかし、幕営時はロープはおろか登山靴さえ脱いで、履き物はテントシューズになっていることが多い。無防備極まりない状態で外に出るが、足を滑らせたら何百mも落ちる。壁にアイススクリューを打って手すりを作ることもあるのだが、恐ろしくて色んなものが引っ込んでしまう。

 壁の中でなくても、吹雪の中で素肌を露出するのは大変辛い。風が強いと紙が飛びそうになる。悩みは多い……。