四国には個性豊かな山がたくさんある。日本七霊山の一つ「石鎚山(いしづちさん)」や、初心者も手軽に絶景を楽しめる「剣山(つるぎさん)」をはじめ、近年では全国各地から山登り目当てで訪れる人がいるほど人気を集めている。

 標高2000m以内でロープウェイ・リフトがある山もあり、例年ゴールデンウィーク頃から登山可能で、比較的登りやすい山も多い。

 今回は、四国4県の最高峰「4つの山」の登山コースを紹介。それぞれの山の頂から望む「絶景」を求めて、充実の四国山旅を満喫しよう!

■愛媛県「石鎚山(天狗岳)」(1982m)

夜明峠から石鎚山の全容を望む

 愛媛県「石鎚山」は西日本最高峰の山。山頂には、天狗岳(1982m)・弥山(みせん:1974m)・南尖峰(なんせんぽう:1,982m)の3つのピークがあり、全てを総称して「石鎚山」と呼ばれている。天にそり立つかのような山容が特徴的で、日本百名山にも選ばれている。

 石鎚山は日本七霊山の一つであり、かつては空海も修行したという険しい「修験の道」であったが、近年ロープウェイが架けられたことで、山頂までの道のりが身近になった。

 山麓下谷駅から山頂成就駅までは、高低差850mをロープウェイで上がり(約8分)、散策路を歩いて石鎚神社中宮成就社へ。ここから本格的な登山道が始まり、石鎚山の弥山山頂までの往復コースタイムは、目安約5時間である。

石鎚山の試しの鎖

 山頂までは「3箇所の鎖の行場」を通ることで有名。まずは「試しの鎖」で力試しするが、長さ67mもある絶壁に架かる鎖場に驚愕!  ここを乗り越えれば「一の鎖」「二の鎖」「三の鎖」を登ることができると言われているが、無理は禁物。登山初心者は、安全な「迂回路」を地道に登ろう。

 弥山山頂には石鎚頂上社・山小屋がある。隣の最高峰「天狗岳」までは岩稜伝いの道なので、経験のある人のみ挑戦がおすすめ。晴れていれば、四国の山々や瀬戸内海の島々が見渡せ、360度の絶景を楽しめる。