■登り専用ルートを逆走できるGW限定ルート

 ここからは燧ヶ岳を眺めながら山の鼻まで下る。この至仏山山頂から山の鼻を目指して下るルートが、ゴールデンウィーク限定ルートだ。

 通常は登り専用のルートを逆走できるのは、この時期ならでは。ソリで滑り降りる人も多いが、途中雪に埋もれてしまうようだ。筆者も試してみたが、なかなかコツがいるようで苦戦。全てのルートを滑り降りることはできないので、ソリと格闘しながら歩きつつ、楽しく下ることができた。ソリ滑りの際は、ルートを外れないこと、安全に止まれる速度を保つこと、人が多くて衝突の危険がある際は避けるなど、注意するように。

山の鼻小屋で休憩

 山の鼻まで下ると小屋があり、多くの登山客が昼食や軽食を楽しんでいる。ゴールの鳩待峠までトイレがないので、心配な場合はここですませておこう。

コーヒーで一服

 ゴール地点の鳩待峠へは登りが続くので、ここでゆっくり休んで英気を養うのがいいだろう。筆者は最後の登りに挑むためにコーヒーを入れて一服し、軽食を食べて疲れた体を充電した。

 ここから鳩待峠まで、小休止を挟みながら1時間ほど。最後まで安全に十分注意して雪山登山を楽しもう。

■天候や服装に注意

 天気が良ければ、半袖とソフトシェルだけで過ごせるほどポカポカ陽気で、青空の下、景色を楽しみながら歩ける春の至仏山。とはいえ、雪山なので急な天候の変化などで気温が下がり、視界が悪くなることも。天候の変化に備えてダウンやフリース、ハード・ソフトシェル、ニット帽、ネックウォーマー、手袋など防寒具はしっかりと準備しておこう。また、視界が悪くなると道迷いの危険が増すので、事前にしっかりと天候を確認しておくこと。

 装備品を確認し、登山届けを必ず提出し、場合によっては引き返す、予定をキャンセルする、延期するなどの的確な判断をして、安全に残雪期の至仏山で雪山ハイキングを楽しもう。

■今年のゴールデンウィークは尾瀬至仏山へ!

春の至仏山は雪山ハイキングデビューにうってつけ

 尾瀬湿原周辺は、温泉地が多いので疲れた体をゆっくり休められるのが嬉しいところ。今年は4月22日(金)から鳩待峠休憩所がオープンするとのこと。残雪期利用の詳しい情報はこれから発表されると思うので、ぜひチェックしてみてほしい。

 今年のゴールデンウィークは、限定ルートで楽しめる残雪期の尾瀬至仏山登山へ出掛けてみてはいかがだろう。予定が決まっていない人は、ぜひ検討してみてほしい。

令和4年(2022年)の山荘営業について:https://www.tokyopt.co.jp/oze/application/files/9416/4378/0560/2022HP_.pdf