■稜線からの景色は抜群
2日目はテントを南御室小屋にデポして、軽量な荷物で観音岳を目指す。小1時間で砂払岳の稜線に抜けると、大迫力の白峰三山が目の前に現れる。今年の1月に白峰三山の稜線を歩いた頃よりはバットレスの岩場が黒々としてきているものの、まだまだ雪山の姿だ。この日は荒川三山の奥までくっきりと見える。遠くは北アルプスまでもだ。残雪期は雪雲がかからない安定した天候が多くなり、雪山風景を楽しむにはいい季節となる。
少し風が冷たいものの、稜線上の雪は締まっていて、好きなところを歩いて観音岳山頂に到着。地蔵岳方向にトレースはないので、この日はここまで。周りの山と比べると甲斐駒ヶ岳は雪が少なめだなとか、仙丈ヶ岳はまだまだたっぷり雪あるなとか。かれこれ小1時間ものんびりしてしまった。
気づけば花曇りだろうか、日差しがなくなり寒くなってきたので、一目散に下山を開始した。
今回歩いたルート
1日目:夜叉神峠登山口ー南御室小屋(約5時間)
2日目:南御室小屋ー観音岳ー南御室小屋ー夜叉神峠登山口(約8時間)
アドバイス:残雪期は特に天候に左右されやすい。稜線上で雨や雪に降られるリスクも考慮したい。南御室小屋は水場があり、冬季小屋もきれいだ。稜線直下の薬師岳小屋にも小さな冬季小屋が解放されていて、エスケープに使える。南アルプスの残雪期ルートの中では比較的入門編と言えるが、テント泊での雪山登山経験者向き。雪山登山の経験がない方は、より簡単な場所での経験を積んでから挑戦することをおすすめする。