川下り、川旅、川遊びの道具として、この数年で世の中に飛躍的に浸透してきたパックラフト。新たなスタイルを求めるキャンパーやハイカーの間でも、遊びの幅を広げるアイテムとして年々注目度が上がっている。
川のシーズンインも近づいているので、今回は「そもそもパックラフトって何?」って方や、これから購入を検討している方に向けて、パックラフトの超初歩的な情報をお送りする。
■「パックラフト」とは、重量3kgほどの船のこと
元々はアラスカでハイク中に湖を渡ってショートカットしたり、大きな川の渡渉用に作られた道具だ。そのため、背負って歩けるように非常に軽量コンパクトで、その重量わずか3kgほど。
基本的には空気で膨らますゴムボートだが、本格的な川下りまで想定して作られているため、その性能は非常に高い。ネットで安く売っているファミリー用ゴムボートとは、そもそもその性能に大きな開きがあるのだ(その分、お値段も高いが……)。
■日本におけるパックラフトの隆盛
パックラフトが紹介された当時は、「日本にはアラスカみたいにビッグな旅をできる場所がないから流行らない」と見られていた。しかし、蓋を開けてみると、これが都心のハイカーたちの間で大いに受けたのだ。
彼らは川下りもやってみたいけど、家に大きなカヌーやカヤックを収納する場所がなく、それでいて車ではなく電車移動が基本。そういった層に、コンパクトに収納できて、背負って電車で移動できるパックラフトは魅力的な道具として刺さったのだ。
SNSの隆盛とも重なり、彼らの発信によってパックラフトは一気に日本に広まっていった。当初はマニアックな個人の遊びだったのが、徐々にスクールや体験業者も増加。最近では従来のキャンプスタイルに飽きてきたキャンパーの間でも、新しい遊びのスタイルとしてすっかり認知されてきた。