■大迫力「木落し」「川越し」に圧倒される勇壮な「山出し」

最大傾斜35度の急坂を下る下社の木落し(写真:諏訪地方観光連盟)

 最初に行われるのは山から里まで御柱を曳き出してくる「山出し」だ。上社の「山出し」は八ヶ岳の麓からスタートし、約20km先にある「御柱屋敷」という広場を目指す。下社の「山出し」は下諏訪町郊外の国有林からスタートし、約12km先の「注連掛(しめかけ)」という場所を目指す。

 御柱1本につき2000人ほどの曳き手が「よいさ」のかけ声と共に力を合わせて綱を引き、重さ10tを越える大木を動かしていく。

まだ水温の低い川に浸かりながら御柱を曳く上社の「川越し」(写真:諏訪地方観光連盟)

 道中には、人を乗せたまま御柱が急斜面を駆け下る「木落し」があり、御柱祭最大の見せ場となっている。「男見るなら7年1度 諏訪の木落し 坂落し」と唄われているほどで、メディアで取り上げられることも多い場面だ。上社では「木落し」の後、川を渡す「川越し」もあり、見せ場の1つとなっている。

 3日間に渡る「山出し」が終わった後に御柱が通る道「御柱街道」を車で走るとアスファルトに木が引きずられた跡が残っており「ここを神様の木が通っていったのだな」としみじみ思う。