2022年2月21日(月)から23日(水)にかけて記録的な大雪が襲った北海道が、今度は急激な気温上昇に見舞われた。2月26日(土)には札幌市で8℃を記録し、前日と比べ6℃の上昇で4月上旬並みの気温となった。この気温上昇がもたらした影響とは。除雪、排雪が進まないなかで発生した新たな問題点を、道内在住ライターがレポートする。
■屋根から氷の塊が! 各所で見られる雪庇
大雪の後の急激な気温上昇で、住宅屋根では「雪庇(せっぴ)」が発生し、カーポートなどでも大きく雪の塊がせり出しており、いつ落ちてもおかしくない危険な状態となっている。
北海道内では屋根の形状として「無落雪屋根」を導入している住宅がよく見られる。「無落雪屋根」とはその名の通り落雪しない構造の屋根で、上部に雪をのせたまま溶かして水にして排出する仕組みをとっている。敷地内に雪を落とさないため、狭い敷地でも住宅を建てることができ、雪下ろし作業による落下事故を防止できるメリットがある一方、風が一方向から吹く地域では風下に雪庇ができやすい注意点もある。
今回は大雪と強風で急激に屋根で大きくなった雪庇が、暖気により溶けて落下する危険な状態となっている。屋根に積もった雪はザラメ雪であれば1立方メートルあたり300~500Kgと言われており、雪庇ができている下を通行する際には、十分注意が必要だ。