■15cm以下のカサゴ

こんなに小さくても大きな針に食いついてくる

 カサゴは成長速度が遅い魚としても有名である。20cmになるまで4~5年かかると言われている。30cmになるには10年近くかかるほど大きくなるまで時間がかかる。アジやサバが3年で30cmになることと比較すると、いかに成長が遅いかがわかるだろう。

 カサゴは定着し、回遊しない魚だ。リリースすればそこで大きく成長していくだろう。時間はかかるが、小さいカサゴのリリースを徹底することで釣り場の平均サイズは大きくなっていく。

 場所を選ばずどこの釣り場でも大きなカサゴが釣れるようになれば、1つの釣り場に人が集中することも減っていくだろう。未来のための投資と思って今は徹しよう。

 また、カサゴが大きくなることは繁殖の助けにも繋がる。カサゴは生まれて2年目、15cmより小さいサイズでも産仔を行う。しかし小型の産仔数は少なく、大きなカサゴの半分以下しか産まなかったということが報告されている。

 つまり、カサゴは大きく成長した方がたくさん子供を産むのだ。小さいカサゴの成長を優先させることは、カサゴの繁殖に微力ながら貢献していることになる。

■まとめ

カサゴは誰でも簡単に釣れる美味しい魚。しかし、もうすでに釣れにくくなっているのが現状だ。「昔は釣れたのに」なんて言葉を良く耳にする。これからのことを考えて、一人一人がリリースの条件を徹底しなければならない。

 カサゴの産仔のハイシーズンである12~2月には、卵を抱えている個体が釣れる確率は上がる。これからの時期は特に気を付けよう。

 また、カサゴは生命力が強い魚ではあるが、針が刺さったことで死んでしまうことはある。持ち帰りサイズが釣れたならば、必要以上に狙わないことも重要だ。