ラニーニャ、強い寒波の影響で雪に恵まれている2021-22年スノーシーズン。大雪が降ると除雪に追われるが、悪いことばかりではない。気持ちのいいパウダースノーを思う存分滑りたおせる(あまり滑りすぎると帰ってからの除雪の体力が……)のだ!

 僕の住む新潟県は豪雪で有名なエリアが多い。規模は小さめでもパンチの効いた個性的なスキー場がいくつもある。そのなかでもゲレンデパウダーが最高に楽しい、お気に入りのスキー場を紹介しよう。

■深い雪と地形を楽しもう!  関温泉スキー場

「関温泉スキー場」は地形天国!

 上越妙高エリアのシンボル的な存在である妙高山。その妙高山のもっとも北端に位置しているのが、「関温泉スキー場」だ。日本海側からの季節風を受けやすいためか、積雪量や1日の降雪量が群を抜いて多いスキー場である。

 そのため、ハイシーズンの1月2月はかなりの高確率でパウダーが狙える! 天候が安定してくる3月でも雪の降るときは多い。リフトの数は2本だけで、とても小さなスキー場に思える。だが、自然地形を活かしたコース設計が絶妙。スキー場と温泉街の雰囲気は長い歴史を感じさせてくれて趣き深い。

 ゲレンデに足を踏み入れると、むき出しの自然地形が迫ってくるような斜面がいきなり登場する! ちょっと面食らうかもしれない。まずはペアリフトで、「スカイラインコース」と「レルヒコース」をまわりたい。圧雪バーンでスピードに乗り非圧雪バーンを繋げていくのが楽しいコースだ。右上からの合流が多いスキー場なので、初めての人はこのコースでまずは合流ポイントをチェックするのがおすすめ。

 とくにおすすめのコースが「銀扇コース」、シングルリフトでアクセスする上部エリアからの眺めは最高で、適度な急斜面のパウダーが存分に楽しめるはずだ。銀扇コースの下部エリアは大きな沢状の地形になっていて、上下左右の動きが楽しいコースになっている。

 南東に向いたコースのためか、少し踏みごたえのある雪の賞味期限は午前中まで、といったところ。しかし、しんしんと雪が降り積もるようなコンディションの日は、雰囲気のいいブナ林の中を泳ぐように滑れるはずだ。いい雪を滑って、コース中腹にあるレストラン「タウベ」でランチ。午後はいい雪を探しながら滑り込んで、関温泉の赤錆色の湯で汗を流せば良き1日が整うはず!

関温泉スキー場:http://www.sekionsen.com

■穴場中の穴場!  須原スキー場

「須原スキー場」。これが噂のワイルドコース!

 新潟県魚沼市、中越エリア。福島県、会津へ抜ける国道252号線沿いにひっそりとあるのが、「須原スキー場」だ。数年前に「ファミリースキーでいいところはないか?」と探していたところ、ここにたどり着いたのだが、最初の衝撃は凄かった。リフトの数は3本とこれまたコンパクトな印象を受けるスキー場なのだが…… 北面の「ブリザードコース」、南面の「ワイルドコース」と「アドベンチャーコース」、「エキスパートコース」が激アツだった!

 フード付きの4人乗りリフト1つで山頂に立つ。天気が良ければ米どころ南魚沼の田園風景と、南には八海山や越後三山、東には浅草岳と好展望が広がる。須原も豪雪エリアなのだが、おすすめのワイルドコースは南面なので早めの時間に滑っておきたい。雪は少ししっとりした踏みごたえのあるパウダー。結構な斜度感、ボコボコしたむき出しの地形がタマラナイ。

 ラインを上手く選んでアドベンチャーコースへつなげば、大満足のロングパウダーが楽しめるはずだ。下のアドベンチャー連絡コースの大きな地形のウネリも見逃せない。ちなみにワイルドコースのツリーランの木は、トゲトゲしたタラの芽の木が多いので注意したい……。

 北面のブリザードコースは良好な雪質。少々短めだが起伏に富んだコースは、リフト乗り場まで遊べる地形が多い。「アルパインコース」や「アルパイン迂回コース」もパークアイテムや壁などあって、お楽しみポイントに事欠かない。

 山頂のレストラン北極星は居心地よし。“あらかた”いい雪を滑ったら、ここで休憩してからエキスパートコースやジャイアントコースのいいところに行くのが、おすすめのルーティーンだ。

 須原スキー場は、そばに国重要指定文化財の「目黒邸」や酒蔵「越後ゆきくら館」がある。近くに「神湯温泉倶楽部」という(おすすめ)温泉があるので、アフタースキーの楽しみも目白押しだ。

須原スキー場:https://www.suhara-ski.com