彼を知り己を知れば百戦あやうからず!  初めての川を旅する場合、その川は下れるのか?  コース設定はどうする?  危険はないか?  など、多くの事前調査が必要になってくる。僕が若い頃は情報収集には苦労したが、今は多くの情報をネットから得ることができる。でもそれはそれで、鵜呑みにすると危険なこともあったりするのだ。

 今回は川旅における“川の調べ方”にフォーカスし、僕なりのやり方をご紹介していく。

■まずはネットで概要を把握せよ!

 まず僕が最初にやることは、Wikipediaでその川の概要を知ることだ。僕のはただの川下りではなく「川旅」なので、ここで歴史も含めた基本情報を頭に叩き込んで気分を上げる。その川と流域のファンになっておくと、その後の調査の幅が広がるし、ずっとワクワクしながら作業ができるのがいい。

 次にやることは、「○○川 川下り」とか「○○川 パックラフト」などのワードで検索をかけ、ブログなどで川下りの記録をチェックする。ここですでに誰かが下っていて、ルートの情報など載っていれば参考にする。

 ただし、あくまでこの情報は参考程度にすること。その人が行った区間がベストとも限らないし、川を取り巻く状況は日々変わるもの。大型の台風などで大水が出ると、川自体の流れが変化することもあるし、危険箇所の位置も変わる。川下りのルートガイド本がほとんど出版されないのは、そのあたりのことが影響していると思う。この作業での目的は、あくまでも「概要把握」である。

僕の個人ブログ「股旅ベース」の川旅ルポ。こうした個人の体験記も参考になる

 今はYouTubeなどでも、現地の状況をわかりやすく知ることができる。でも調べすぎてしまうと冒険感が薄れてしまうので、ほどほどにしている。攻略本を隅々まで読んでからドラクエを始めても面白くないでしょ? 攻略本はある程度、行き詰まったときに必要に応じて開けばいい。ネットの情報はそのくらいの気持ちで見ることが大切だと思っている。