最高のパウダーを求めるスキーヤーとスノーボーダーに送るコアマガジン「Fall Line 2022 vol.2」が双葉社より絶賛発売中。各地の滑り手の成果を綴る今季2号目。美しい写真が多く眺めているだけでも気分が高まるので、ぜひ手に取ってみて欲しい。

「Fall Line 2022 vol.2」表紙

■シーズンの記憶 2020-2021 Winter

 コロナ禍とラニーニャが重なった昨シーズン。人並み以上に雪山で行動し続けた人たちは何をどう感じたのだろうか。各地で活動するフォトグラファーに最良だった瞬間を写真とともに伝えてもらおう。しばらくは忘れることのできないこのシーズンの記憶と記録である。

シーズンの記憶 2020-2021 Winter
それぞれに思い出と最高の一枚がある

■Waddington Ski Traverse

 カナダ・BC州最高峰のMt.ワディントンの山域をぐるりと1周するスキートリップに出かけた4人。総移動距離150km、累積標高差6000mに及ぶ16日間の長期スキー縦走で彼らになにが起きたのか。メンバーの1人として参加したフォトグラファー竹内天平がそのすべてを語ります。

カナダ・BC州最高峰のMt.ワディントンを16日間に渡りスキートリップ
DAY1.ヘリはすぐに飛び去り、4人の歓喜の声だけがあたりに響いた
3日目の朝、1969年に建てられたプラマーハットの横に立つメンバー

■カナダ人たちの利尻岳 Beyond Risk

 パンデミックの予兆が明確になりつつある2020年3月に、4人のカナダ人は利尻島への旅を決断した。彼らはあらゆる手段を使って日本の感染状況を調べ、大都市での滞在時間を短くする移動経路を探った。今回の旅を通じ、欧米人が大航海時代以来付き合い続けてきた「リスク」というものの本質を知ったように思う。彼らにとって人生とは、「眠れるドラゴンが抱えるお宝をしれっと盗み出す」ことを意味しているらしかった。お宝を手に入れたいなら、飲まねばならない魔法の劇薬、どうやらそれがリスクの正体らしい。

カナダ人たちの利尻岳 Beyond Risk
緊張はリスクを飲んだ時におきる副作用みたいなもの