ある広告の焚き火シーンが、ネットで炎上したことは記憶に新しい。落ち葉の上に焚き火台を置き、そのまま焚き火をしてしまったのだ。完全にアウトである。

 ただ私もそういった撮影に立ち会うこともあるので、場の雰囲気は少なからずわかる。初対面で大人数のスタッフが撮影場所をセッティングした後に、「延焼すると困るので、落ち葉を掃いて、水を撒いてもいいですか?」とはなかなか言い出しづらい。しかし、火が燃え広がってしまっては取り返しがつかないので、この類の準備には必要以上に気をつけている。

焚火台から半径3m程度は落ち葉を掃いておこう

 焚き火を始める前に万一に備えるのは、焚き火を楽しむために最低限必要な準備だ。水を置いておくことは昔から常識だが、最近は焚き火台を使うこと、さらにその下に「焚き火シート」を敷くことが当たり前になってきている。このシートを敷くことで、爆ぜたり、燃えた薪がこぼれ落ちても延焼の心配が少なくなる。さらには、芝生や草木を熱から守り、地中の微生物も殺さずに済む優れものだ。