広い山頂の西峰からは、眼下に諏訪湖を、対岸には霧ヶ峰を望むことができる

 一方で、西峰には「ラビットハウス」と呼ばれる小屋がある。冬の寒風を凌げるありがたい存在で、地元の方はもちろん、この山を訪れるたくさんのハイカーたちが休憩にやってくる。大展望の西峰山頂は小屋からすぐだから、ここにザックを置いていけるのもありがたい。

 登山コースはいくつかあるものの、杖突峠の駐車場からまず東峰を目指し、尾根道を伝って西峰に向かい、立石コースで下山するのがおすすめ。コースタイムは4時間強。技術が必要な難易度の高い道はないけれど、分岐を見逃さないよう、地図で現在地確認ができるように備えておこう。

■下山したら諏訪大社の上社前宮で初詣、そして街歩き

守屋山麓の自然の中に調和する諏訪大社上社前宮

 諏訪大社には上社前宮と上社本宮、下社春宮と下社秋宮があり、この中で守屋山の麓に鎮座するのが上社の二社となる。守屋山はその上社の神体山といわれるものの、正確なところはわからないようだ。とはいえ、諏訪明神が最初の居を構えた場所が前宮だという縁起を思えば、諏訪信仰と守屋山の間にはなんらかの関係があったことは想像に難くない。

秋の上社前宮は紅葉が素晴らしい。御柱にもつい触れたくなってしまう

 守屋山への登拝道がある上社前宮を訪れると、諏訪大社の中ではもっとも自然に調和した姿で祀られている。そこに守屋山から吹き下ろす風と湧き出す水の流れがあって、とても気持ちがよいのだ。諏訪信仰の象徴「御柱」のすべてに触れて詣でることができるのも、四社の中でここだけのこと。

 今年の春には七年に一度の大祭「御柱祭」がある。そう考えると、守屋山と諏訪大社で新年の山初めをすることは、なかなか幸先のよい山旅になるように思う。もちろん、春にはお礼詣りに訪れることは言うまでもないだろう。