世界で最も販売されているATブーツがスカルパのマエストラーレだ。
発売開始は2010年。非常に優れた歩行性能と滑走性能を両立させたATブーツとして、一躍世界のトップモデルとなり、以来多くのバックカントリースキーヤーに愛用されてきた。一般モデルは、マエストラーレ、レディースモデルはゲアというモデル名になっている。
初代マエストラーレから、何度かマイナーチェンジとフルモデルチェンジを繰り返してきたが、その基本構造は今も大きく変わっていない。それだけ完成度の高いブーツといえる。そのマエストラーレを基本に、マエストラーレRS、マエストラーレXTというモデルがラインナップ展開されていった。
2021-22シーズン、このマエストラーレシリーズが再びフルモデルチェンジする。それぞれのモデルの特徴と変更点を解説していこう。
■世界のベストセラー! マエストラーレとゲア
スペックは重さ1440g(27cm)、可動域60°でマエストラーレシリーズのロアシェル構造は基本的にすべて同じ。前傾角度は16°(±2°)でラストワイズ(足幅)は101mm。
厚みのあるインナーは保温性が高く、万人の足に合わせる熱整形が可能だ。ブーツの軽量化と効率化を兼ねたロアシェルのバックルは、1つで2ヶ所を締める。
2021-22モデルの主な変更点は滑走性能のアップだ。ロアシェルのLAMBDAフレームにより、ねじれ剛性がアップした。タングの内外で形状を変えて硬さのバランスを変えることで、滑走時の外脚のグリップ力と内脚の使いやすさが向上している。
また、前マエストラーレXTに採用されていたスピードロックXTがマエストラーレにも採用され、ブーツのスキーモードロック時の剛性も高くなっており、パワーベルトも変更されている。シェル剛性を高めずに滑走性能を引き上げることで、滑りやすさと扱いやすさもキープしているスタンダードモデルだ。