スキーに必要な板、ブーツ、ビンディング、ウエアなどの様々な専用ギアについて、今さら聞けない基本の「キ」を連載でお届けしていきます。第6回は「スキーゴーグル」について。素材や機能の基本を理解したら、選び方や使い方も変わってくるかも知れないですね。

■1. テクノロジーの進化がとくに著しいゴーグル

 一面真っ白な雪の世界で、視界を確保するために必要不可欠なゴーグル。雪や風から目を守り、ときには命を守るアイテムにもなりうるものだからこそ、改めて基本的なことを知っておきましょう。

 ゴーグルの特色はメーカーによって様々。フレームの形状、フィット感、ベンチレーションや曇り止め加工の技術、そしてレンズテクノロジーなどチェックするべき点が多いからこそ、画一的に優れたものを決めるのは難しくなります。人によって重要なのは、見やすさかもしれないし、もしかしたらビジュアルが写真映えするかどうかかもしれないですよね。ここでは基本に立ち返って、ゴーグル選びの判断材料を確認しましょう。

ゴーグルのパーツの名称

●フレーム:可塑性に優れるTPUを用いる

 フレームの素材に主に用いられるのはTPU(=熱可塑性ポリウレタン)という素材。加工が容易で丈夫、しかも軽いという特性があります。ブランドによっては、カーボンや植物由来のプラスチックを用いることも。これは、強度を上げて顔を守るという理由や、地球環境に配慮するというコンセプトがあるためです。

●形状について:球面か平面か

 平面はレンズ加工の時に歪みが少なくクリアな視界が保てる一方、球面は顔とレンズの間の空間体積が広く、曇りづらいなどの利点があります。ただ最近は曇り止め技術が向上したため、大差はないと言っていいでしょう。新たにセミ球面レンズなど、視界を広げるために各メーカーでどんな形状がベストかといった開発が進んでいます。

●ジャパンフィット:使用感を大きく左右する

 ゴーグルは、ほとんどが海外ブランドです。欧米人と日本人は顔の形が違うため、ジャパンフィット、もしくはアジアンフィットかどうかは、着け心地に大きく関係します。鼻の部分をスポンジで厚くしたり、額のフレームはカーブを調整したりなど改良されています。

●バンド:滑り辛さを意識する

 近年増加した大型フレームに合わせて、保持力を高めるために太いバンドを採用するモデルも増えています。ほとんどがゴム製ですが、シリコンでできていたり、もしくは内側のみにシリコンを配して滑りづらくしているものもあります。

●ベンチレーション:曇らないために必要

 ベンチレーション、つまり換気システムはレンズが曇らないためにとても重要なシステムです。フレームの下部と上部にスポンジで覆われた空気穴があり、内部の換気を促します。ゴーグルによっては、スポンジに穴が開いてしまうと雪が入ってきてしまうため、疎水性を持った破れにくい素材でカバーされているタイプも登場しています。