■日の出前にいざ出発!
山小屋の基本は早寝早起き。ベースキャンプでもそれは同じで、まだ暗いうちに相部屋のベッドから起き出し、ラウンジスペースで持参したパンとコーヒーの朝食を。ベースキャンプのカフェでは美味しそうな朝食も提供されているので、サクッと下山してゆったり朝食なんていうこともできそうです。
夜明け前でまだ暗い高尾山口駅には、ちょうど始発電車で到着した人の姿がちらほら。トレランの装備の人が多い印象です。登山者とのニアミスを避けて、この時間に走るのでしょうか。
ケーブルカーの清滝駅もまだひっそり眠ったまま。今回は駅の横にある登山口から「稲荷山コース」で上ります。
日の出直前の登山口は街灯で照らされています。幸い、ヘッドランプを点けなくても十分歩ける程度には明るいので、いざ登山スタート。
高尾山にはいくつもの登山コースがあり、それぞれに特徴がありますが、なかでも稲荷山コースは長い尾根歩きが楽しめて“本格的な登山”の雰囲気を味わえるおすすめのコースです。もちろん登山道はきちんと整備されていて安心して歩けますが、木の根が露出している場所も多く、特に足回りは安心して歩ける登山装備で行きたいところです。
■早朝のすがすがしさを感じながらのんびり歩き
標高や行程に関係なく、登り始めはいつもちょっとキツく感じます。ゆっくり、呼吸を整えながら登り、少し体が温まったところで軽くストレッチ休憩。
尾根に出る頃には、樹々の間から朝日が顔を出し始めました。早朝にもかかわらず、ときおりトレイルランナーや登山者が追い越していきます。
30〜40分で途中の稲荷山まで到着し、ベンチで景色を眺めながら水分補給。
登山道は広めで歩きやすく、ところどころ階段や木道も。100m毎に現れる道標も歩き慣れない人にはとても親切です。
さらに歩を進めていくと6号路との合流、5号路との分岐と続き、最後に長い階段を上がれば、そこはもう高尾山のてっぺんです!
■大人気の山頂でゆったり?
この日は快晴とまではいきませんでしたが、早朝の優しい光に浮かぶ山々の姿は、昼間とは違った、凛とした佇まいを見せてくれます。雲間からは富士山もうっすら顔を出していました。
振り返ると、朝の7時台にもかかわらず、山頂の広場には既に何人もの登山者が。さすが人気の山ということなのでしょうが、同時に、これほど人の少ない高尾山頂は初めて見る光景です。
11月中旬の山頂は、まだ紅葉の最盛期には早いようでしたが、それでも場所によっては紅く色づいたモミジの葉が美しく揺れていました。
朝が早すぎて名物のお茶屋さんも開店前。まだ人が少ないので空いている東屋のベンチに陣取り、持参したパンとコーヒーでのんびり朝食をとっていると、続々と登山者や観光客が上がってきます。ケーブルカーが動き始める8時過ぎになると、人の波はいっそう増えてきました。
十分のんびりできたし、あまりベンチを占領しているのも申し訳ないので、下山開始。下りは薬王院方面に向かいます。その頃にはお茶屋さんも営業開始しているので、下山前に山頂グルメを楽しむのがよさそうです。