■登山道整備、一体誰がやってるの?

登山道整備は手ノコギリで勝負!

 登山道は、はたして誰がどのくらいの頻度で整備しているのだろうか。

 南アルプス南部では、小屋の関係者の皆さんが担当している。今季で山小屋の休業2シーズン目の私たちは、茶臼小屋から光岳小屋までの登山道整備を行った。

 登山道整備は山小屋の人の義務かというと、そうでもない。じつは責任の所在はすごく曖昧で、予算の出所もまちまちだ。

 ちなみに余談だが、先日までいた岩手山の小屋では、避難小屋の管理も含めて3つの県山岳会が変わり番子にやっているそうだ。もともと無人小屋だったけれど、みんなゴミを置いていくし、掃除もしないから荒れ放題。「これはいかん」と管理に入るようになったんだって。木道設置などの大きい工事は県が、すっごい細かい作業は管理人が入下山時に行っているということだった。こうしてその場所が好きな人たちが守っているってわけ。

 山域によるだろうが、誰かのこの山、この場所が好きだ、守りたい、という気持ちに補われているような気がする。