■しまなみ海道の観光地を巡る
島の一般道路に降りることには、島々が生み出す多様な風景が見られるほかに、島独自の観光地を訪問するメリットもある。
たとえば、村上水軍の足跡をたどるのも一つの例だ。しまなみ海道は、和田竜氏の小説「村上海賊の娘」で有名となった村上水軍が根城にしていた地域にある。海道のあちこちに足跡が残されているのに加え、「村上海賊ミュージアム」には多くの展示もされているので、歴史好きな人は立ち寄ってはどうだろうか。
さらに、大三島にある大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)は山を愛する人なら一度は参拝すべきパワースポットである。全国の山祇神社と三島神社の総本社といわれ、愛媛県で最も古い神社とされる大山祇神社は、海・山・武の神として信仰が厚く、実際に訪れると木々に囲まれた静かな空間で心が洗われる心地になる。
登山の安全を祈願しにしまなみ海道を、そして大山祇神社を訪問してほしい。
■万全の防寒対策をおすすめ
しまなみ海道を走る間、島に降りるときを除き、ずっと海上の橋の上に晒されることになる。特に秋~冬の間は強風が吹き付けるため、歩行者・自転車はもとより、原付で挑む人は万全の防寒対策が必要である。
なお、広島県側に向けて走行する場合は、降り立つ先は尾道である。全国的にも有名な尾道ラーメンの店が林立しており、熱いスープを飲み干せば体も温まるだろう。
原付やバイクで旅をする人の友は、今も昔も温かい缶コーヒーや熱々のラーメンだ。
■原付2種で瀬戸内海の風景を楽しむ
しまなみ海道の歩行者自転車道はアップダウンが激しく、徒歩や自転車での観光は体力勝負になりやすい。原付2種は起伏や多少の距離をものともせず遠くへ連れて行ってくれる心強い相棒だ。
自由に止まり、散策し、体力に余裕を持ちながら、次の目的地に行くことができる原付2種旅をおすすめする。
しまなみ海道を原付で走行する場合の注意点を伝えよう。
歩行者自転車道は1車線で中央分離帯もないので、速度を落とし、歩行者・自転車・ほかの原付の動きに注意しなければ、正面衝突する恐れがある。
原付2種に速さは似合わない。マイペースでゆっくりと島々の風景を楽しみながら走ることとしよう。