■クライマックスの槍の穂先! 緊張もマックスに!
槍ヶ岳山荘に到着すると、今までで一番大きく槍の穂先と対面。そこから見上げる姿は凛々しかった。それと同時に登っている人たちの姿がアリのように見え、私もあの場所へ行くんだと思うと、とても緊張してきました。ヘルメットを被りながら「緊張する〜」ともらす私を周りの人たちも笑いながら励ましてくれたり、同じく「緊張しますね」と共感してくれたり、とてもあたたかい気持ちになりました。こういう一体感も山では本当に嬉しいです。
穂先の岩場はなかなか楽しくて、でも一番苦手なハシゴに緊張して言葉が出ませんでした。鈍く光るハシゴは年季が入っている……。「本当に大丈夫でしょうか」と疑心暗鬼……。なんとも信用できないですが、ここまで来たら登るしかありません! 最後の一番長い梯子は、上も下も見ずに前の岩だけ見て登頂!! 「やり切ったー!」 高所恐怖症の克服の仕方です(笑)。
■四方八方、どこまでも山々が連なっていく
たどり着いた山頂は数人しか立てない広さです。一番奥に祠があり、私はその祠まで行きました。そこから見る景色は特別素晴らしかった。西鎌尾根、東鎌尾根、北鎌尾根、穂高連峰、硫黄尾根。それらの中心に槍ヶ岳があるような……。ここに向かって山があるような……。ここから山が広がっているような……。今まで見たことのない景色でした。
どこを登っても槍ヶ岳が見えていました。逆にいえば槍ヶ岳に立てばどこまでも見える。そして登頂した日は、遠くの景色まで全部見ることができました。