それまで、他者よりもいかに速く山頂に立てるかにこだわっていたキリアンだが、歳を重ねて彼はどの山にどれだけ速く登頂するのかよりも、登頂に至るまでの道のりを重要視するようになっていく。トレーニングや人々との出会い、日々の暮らし、登山口に至る旅まで、毎日生きているすべてが山への道と繋がっている。競うべきは他人ではなく、自分自身だったと気がつくのだ。

競技は他者との戦いだが、エベレストで競った相手は自分自身だった

 彼の登山だけを捉えようとすると、レベルが高過ぎて状況が理解できる読者は限られるだろう。しかし、舞台は違えど山登りが好きな方なら、この超人が山や自然に向き合う姿勢や気持ちには、少なからず共感できるポイントがたくさん見つかるに違いない。

「なぜ、そんな危険なことをするのか」

「なぜ、山に登るのか」

 不可能と言われていることにあえて挑むアスリートたちの気持ちが理解できない方にこそ、ぜひ目を通していただきたい。

↑これが日常? 超人キリアンのごく「普通」な1日の過ごし方

 

■問い合わせ

エイアンドエフ

03-4578-8885

https://aandf.co.jp

記事本文に戻る