山梨県・南アルプス市は、新型コロナウイルスまん延防止等重点措置を実施すべき区域に公示されたことを受け、9月12日までの期間、南アルプス市営観光施設の休業を決定した。休業対象施設は、同市内の山小屋(テント場も含む)、温泉・宿泊施設(付帯するスポーツ施設、バーベキュー場等を含む)、その他集客施設という措置であった。

 山梨県・南アルプス市観光協会のウェブサイトによると、山梨県へのまん延防止等重点措置は本日9月12日に終了となるものの、週明けからも引き続き「市営山小屋のみ」営業休止期間を延長することを決定した。全国の多くの都道府県で緊急事態宣言が9月30日まで延長になったことを鑑みて、感染拡大を少しでも抑えるための措置となる。

 これを受けて、南アルプスの人気ルート上にあるいくつかの山小屋も、9月30日(木) まで引き続き営業休止が決まっている。営業休止対象となるのは、以下5軒の山小屋。

・北岳山荘

・白根御池小屋

・広河原山荘

・長衛小屋

・両俣小屋

 なお、期間中はテント場も使用できなくなるため、シルバーウィークなどに北岳や白根三山、甲斐駒エリアへの山行を計画していた方は、計画の大幅な見直しを。

 ちなみに、万が一の事故対応の観点から、各小屋には管理スタッフが常駐し、給水やトイレが利用できる。山中のライフラインにもなるため、登山バスは期間中もダイヤを変えずに平常通り運行を続ける予定となっている。

南アルプスエリアの固有種「タカネビランジ」

 休業は山小屋にとっても、行政にとっても苦渋の決断であることは間違いない。一日も早く事態が収束し、また以前のように気兼ねなく山を歩ける日が戻ることを願う。