「山寺」の愛称で知られる、山形県山形市の「立石寺(りっしゃくじ)」に登ったことはあるだろうか。

 お寺に「登る」というのも変わった表現であるが、立石寺においては正しい表現である。立石寺の入り口には「登山口」と書かれているのだから。

 古くは修験道として修行僧も歩いた道へ誘おう。

■芭蕉も歩いた立石寺

鎌倉時代の作といわれる山門

 立石寺は正式には「宝珠山立石寺」といい、860年に慈覚大師が開山した由緒あるお寺である。かの有名な松尾芭蕉が歩き、「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の句を詠んだことでも有名である。

 登山的な視点では、標高159mの高低差を持ち、山門から奥の院までの距離は700m、往復で1.4kmの山行になる。ただ、各所にお堂や神社、遠く山々を見渡せるスポットなどが点在するため、愉しみながら登山する場合は往復で3時間の山行を覚悟すべきだろう。