■煩悩が消えていく1015段の石段
登山道入り口から奥の院に至る石段は1015段を数える。
通常の登山と異なり、石段であることが足に負担を強いる。登山道よりも石段の方が、整備されている分登りやすいという意見もある。一方で石段は1段あたりの歩幅、及び足の上げ方が決められているため、個人の理想的な足運びを阻害される。このため、登山道より石段の方が足への負担が大きくなる場合がある
しかし、立石寺の石段は1015段あるが、各所に見られるお堂や神社の周囲は平坦な箇所もあり、比較的登りやすい石段といえる。
なお、立石寺の石段は1段登るごとに煩悩が1つ消えると言われている。1015段を登り、奥の院に登頂する頃には煩悩はすっかり無くなるはずである。
■脈々と連なる山容が見られる眺望
立石寺にはいくつか眺望が開けるポイントがある。
特に視界が開けるのは納経堂の周辺である。遠く蔵王山麓の方面を望むと、山と谷が折り重なり脈を打つように山容が続く光景が見られる。
また、早朝から立石寺に登り始めると、山々から立ち上る朝靄(あさもや)でかすみがかり、深山幽谷の風景を楽しむことができる。
ちなみに松尾芭蕉が立石寺を訪れ、蝉の鳴き声に感じ入ったのは夕方頃と言われている。芭蕉と気持ちをひとつにしたい場合は、夕方頃に訪れるのがよいだろう。