■横岳を越えたらいよいよ北八ヶ岳エリアに突入

 横岳の岩峰を抜けると荒涼とした広い道になり、ルート沿いにいくつもケルンが積まれている。霧などで視界が悪いときはこれが道しるべとなる。横岳と硫黄岳(2760m)の鞍部に建つ硫黄岳山荘は、昼食をとったり休憩したりするのにちょうどいい立地。初夏から夏にかけての花の季節は、小屋の周辺で白いコマクサや国の天然記念物に指定されているキバナシャクナゲなどの珍しい花を見ることができる。硫黄岳の平坦なピークを越えて、縦走路を下った先が夏沢峠。この峠が南八ヶ岳と北八ヶ岳の分岐点となる。

■2つの峰をもつ天狗岳へ

 夏沢峠を進み根石山荘のあたりからザレ地が続く。根石岳を越え、山頂を抜けたら次が天狗岳だ。この山は東天狗(2640m)と西天狗(2646m)からなる双耳峰。東天狗は縦走路沿いに位置し、山頂に天狗岩と呼ばれる大きな岩がある。西天狗は縦走路からはずれるが、時間がゆるせばこちらも足を運びたい。天狗岳を越えると、北八ヶ岳らしい原生林が続いている。南エリアのような険しい道ではなく、穏やかな森を歩くのんびりとした登山を楽しめる。

■苔むす森の先に待つ透明度抜群の白駒池

苔むした美しい原生林が広がる白駒池

 夏沢峠から中山峠の分岐まで進んだら、高見石小屋を経由するルートで白駒池に向かう。高見石小屋には岩の上に展望台があり、池や周囲の山を一望できる。森の中に小さな池がポツリと見える景色は一見の価値ありだ。小屋から森を下れば、透明な水をたたえた白駒池に到着。池はコメツガやシラビソなどの針葉樹林に囲まれ、うっそうとした森の地表は多種多様な苔に覆われている。湖畔沿いの木道を周遊すれば、苔むした森を間近に堪能することができる。湖畔には白駒荘と青苔荘の2軒の小屋があり、池を眺めながら休憩だって可能だ。池から白駒池駐車場、または麦草峠に向かえば、JR中央本線・茅野駅や北陸新幹線・佐久平駅に向かうバスが出ている。そこが旅の終着点だ。なお、ここで紹介した縦走は2泊3日の行程を想定している。登山マップとにらめっこしながらコースタイムや山小屋情報をチェックして、八ヶ岳をまるごと楽しむロングトレイルの旅を計画してみよう。

 

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