山の上という特殊な環境なので、街では想像もつかないようなアクシデントやトラブルが起きるのが、山小屋仕事の怖いところ。
昨年は、シーズンイン直前に小屋番の私がアキレス腱断裂という大怪我をしたことからはじまったのですが、じつはスタッフの中で唯一の山小屋仕事経験者だった高橋くんも、小屋閉め直前になかなかのトラブルに見舞われていたのです……。
2025年シーズン、光小屋で一番ヒヤリとした事件を振り返ってみましょう。
■ラスト1か月、唯一の経験者までもが……
スタッフのみんなの頑張りによってなんとか営業を続け、小屋閉めまで残すところ1か月となった頃。唯一の経験者だった高橋くんが怪我をしてしまった。水場まで坂道を整備していた時に、大きな木槌の頭がスポッと抜けて膝に直撃したのだ。
山という場所が場所だけに、私たちは日頃から怪我には十二分に気をつけている。でもね、怪我、するときは一瞬なのです。
怪我の様子は大丈夫なのか。山の上の状況はいまいちわからないので、心配と不安が増すばかり。「まあ、数日様子みるよ」と本人は言うけれど、緊急下山もありだからね、無理はしないでね、と伝える。
数日経って、「まだ膝が曲がり切らないけど、庇うようには歩けるようになったから大丈夫でしょう」と連絡がきた。私も怪我をして上がれなくなってしまったことで、山小屋経験者が高橋くんだけという無理をしてもらわねばならない勤務体制にしてしまった申し訳なさでいっぱいになった。