”無人地帯での遊び方”なるテーマを掲げた書籍が発売された。『“無人地帯”の遊び方 人力移動と野営術』(グラフィック社刊)と題されたその本は、書名の通り、人がいない場所をいかに探し出し、辿り着き、快適に過ごすか、その方法(遊び方)について書かれた特殊な1冊だ。
本連載の第7弾は、「生活術」のパートから野営地について、一部抜粋してお届けする。意外なことに、無人地帯では1日の半分以上の時間を野営地で過ごしている。野営地のクオリティは、旅全体のクオリティを左右する非常に重要な要素の1つだ。
■無人地帯では1日の半分以上を野営地で過ごす
無人地帯での生活において、野営地(キャンプ地)で過ごす時間の重要度は非常に高い。
野営候補地に夕方に到着し、翌朝は夜明けと共に出発すると考えても、1日の半分にあたる時間を野営地で過ごすことになる。実際には、昼過ぎには到着してしまうこともあるし、のんびり朝メシを食べながらくだらない話を続けているうちに出発が遅れたりもする。
つまり、野営地で過ごす時間は、1日の2/3に近い。荒天で停滞したり気に入った場所で連泊すると、もはや僕らは野営地で過ごすために出かけていると言っても過言じゃない。
前置きが長くなったが、そんなこんなの理由から無人地帯における野営地の選定と設営はとても大切な作業なのだ。