■下山から始まる!  芳ヶ平湿原への道のり

 標高2,172mの「渋峠駐車場」で、しっかりと準備を始める。雨上がりの天気で空気は澄んでいるが湿度は高い。温度計は17℃を指している、ボクの自宅あたりは28℃ぐらいになると言っていたから約10℃の差だ。もう7月なので水は各自、常に2リットルを目安に携行している。水浸しのトレイルはぬかるんでいるが、こういうときは堅牢で防水の効いた山靴と、防水透湿素材のさらりとして快適なレインジャケットが心強い。これから標高差300mを一気に下っていく。どんな景色が待っているのか楽しみでたまらない。

雨上がりのトレイルをいく

 いきなり下山から始まった今回の山旅を、子供たちはどう思っているのだろうか? 蒸してはいるが快適な気温でペースは早い。中間点の「ダマシ平」で小休止を取っているとき、ふと思う。まさかクルマが勝手に移動して下で待ってるとか思ってないよな……。そう思っていたら、娘が弟にしっかり説明していて安心した。え? じゃあ息子のほうは……。「だましてないですよ!」

ナナカマドも花をつけていた。このどこかにキャンプ場

 木道が設置してあるトレイルを快適に下りていく。コースタイムでは1時間チョイでいけるはず。ときおり見える開けた景色がたまらない。ちらちらと湿原の中にある、可愛らしい赤色の屋根が目印の「芳ヶ平ヒュッテ」が見えてきた。シラビソとクマザサの原生林から植生もどんどん変化していく。湿原の中に白いものが見える。目的地は近い!