「ワーケーション」という言葉を初めて聞いたときから、ぜひいつかやってみたいと興味津々だった私。長野県中川村に、ワーケーションにピッタリなキャンプ場があると知り、5月某日、PCとキャンプ道具を車に積んで出かけてみた。そのキャンプ場は「四徳村」という南アルプス山麓の集落の跡地にできた、「四徳温泉キャンプ場」だ。今回は、このキャンプ場での1泊2日のワーケーション体験の模様をお届けしたい。

 ところでワーケーションとは、一般社団法人日本テレワーク協会の定義によると「リゾートなどバケーションも楽しめる地域でテレワークを行うこと」なのだとか。さらにテレワークの定義は、「情報通信技術を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のこと」。とくに私のように、アウトドアが好きでライターを生業としている人にとって、ワーケーションという働き方はこのうえなく親和性が高いはずだ。

■四徳温泉キャンプ場って、どんなところ?

四徳温泉キャンプ場の入口。里からキャンプ場までは、細い県道を通って行く。すれ違いにくい箇所もあるので、慎重に進もう

 中央自動車道の松川ICまたは駒ヶ根ICからいずれも車で約30分。最寄りの集落からも10kmほど離れた山の上に、四徳温泉キャンプ場はある。四徳温泉は、室町時代末期の元亀3年(1572年)に開湯され、古くから湯治の里として親しまれてきた場所だ。

トイレや炊事場が近くて便利なオートサイト。そのほか、森の中や沢沿いにもキャンプサイトが用意されている
手ぶらでもテントサウナを体験できる「貸切りサウナ」を体験。ロウリュと沢の水風呂へ交互に入り、血行促進!  ととのいました

 四徳温泉がキャンプ場としてオープンしたのは90年代。一時は寂れていたが、2015年から地元の若い世代が事業を受け継いで盛り立てている。森に囲まれたロケーションに加えて、週末やハイシーズンには強アルカリ性でお肌がツルツルになる源泉100%の温泉に浸かれたり(※)、場内に流れる清流で川遊びやテントサウナを体験できたり、片道2時間ほどで伊那谷を一望する陣馬形山の山頂まで登れたりと、過ごし方の選択肢も多く、遠方から足を運ぶリピーターも多いそうだ。

※新型コロナ感染症拡散予防対策のため、予約入替制、貸切制にて営業中