■土居川とセットで仁淀ブルーを楽しもう

 安居川の上流部には、「安居渓谷」という景勝地がある。そこには数々の名爆があり、中でも水晶の淵と呼ばれる淵は仁淀ブルーの撮影スポットとして有名だ。時間があればぜひ訪れてみるといいだろう。

渓谷の入り口にある「みかえりの滝」

 安居川は土居川に合流し、本流の仁淀川へと注ぎ込む。その土居川まで下ってくると、産地直売所「池川439交流館」がある。地元のものを食べるのが僕の川旅の基本ルールなので、お昼ご飯はここでお惣菜を購入。そして併設の公園で美しき土居川を眺めながら、それを味わうのである。

生活エリアでこの美しさはさすが!

 春には舞い落ちた桜が川をピンクに染め、夏には大岩から子供達が川に飛び込むという風情ある場所。こんな場所で暮らせたら、不自由とは別次元の幸福がいっぱい詰まっている気がする。

 なお、この川沿いには無料や500円〜1000円程度の協力金で利用できるキャンプ場が点在しているのも嬉しいところ。車で15分ほど南下することになるが、「中津渓谷 ゆの森」という温泉施設もある。中津渓谷も仁淀ブルーの地として有名で、紅葉の名所としても人気のスポット。1.6kmの遊歩道が整備され、奇勝の数々を間近で見ることができるので、こちらにも足を運んでみるのもいいだろう。

 このように安居川だけじゃなく、仁淀ブルーをテーマにして土居川も合わせて計画を立てると、旅のバリエーションは豊かになる。時間が許せば、そのまま本流の仁淀川を旅してもいいし、県を越えて愛媛の面河川(おもごがわ)を旅してみてもいいだろう。兎にも角にも、四国というステージは川を中心に組み立てると、本当に充実した旅ができる。しかも清流が多いってのが、また最高だ!

 今回ご紹介した安居川は、個人的にとても大事な川だ。新型コロナが落ち着いたら、真っ先に訪れたい場所の一つ。また、あの家族とイモリを追いかける日が今から楽しみである。