■ロマンを胸に宙に浮け! 

 青色が目印の城山橋を越えると、谷が深まって山間の雰囲気を楽しむことできる。水深は浅いが流れは穏やかで岩が少なく、ここを漕いでいると水上をスーッと滑っているような感覚になって面白い。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のホバークラフトに乗ったら、こんな感じだろうなーってイメージ。わかる?

ここの川原は休憩ポイントとしてもおすすめ

 そこから進んでいくと、水深のある美しい淵に到達する。前編で“宙に浮いてる舟”の写真について触れたが、実はここでもあの状態を撮ることができる。特にここは川を下ってしか来れない場所なので、上流部のキャンプ場よりはるかにレア度は高い。

 浮いているように撮るには、カメラをセットできるいい感じの高い岩があり、太陽がある程度真上にあって、風もないという条件が不可欠。そのうえで、できるだけ波を立てないようにその場所に移動できたら、やっと「ウキウキ」の写真を撮ることができる。

ちょっと水面が波立っちゃったけど浮いてますね
惜しい!風さえなければ完璧だった

 何気に他の人から見たら「だからなに?」っていわれてしまうようなことだが、やってる本人たちが楽しければオールオッケーだ。川旅ってのは距離や速さを競うもんじゃない。どうでもいいことでも、全力でそのロマンを追えた者こそが勝者なのである!

そこからは再びゆったり時間の始まりだ
ゴールの川原。美しすぎてため息出ちゃう