■バイクパッキング用テントは、ここが違う

 ディテールを見ていきましょう。まずダークカラーを採用したフライには、よくある反射パネルが一切ありません。これはキャンプ場以外で設営する際にあまり目立たないための工夫なのですが、見た目の渋さにも繋がっています。

 続いて、フライを外してみます。インナーは設営しやすい吊り下げタイプ。サブポールを配して、天井部を広く確保しています。また、ハーフメッシュ構造なので、これからの蒸し暑い時期にもしっかり対応する造りになっています。

テント内に入れたくない濡れ物やシューズなどは、取り外しが可能なランディングゾーンに収納できる

 軽量、コンパクトかつ快適な居住性が必要なのは、バイクパッキング用テントと登山用テントの共通点です。異なるのは、収納してから自転車に搭載することを前提としているかどうか。

 例えば、防水加工を施した強靭な生地を採用したロールトップタイプの収納袋が付属し、この袋のストラップを使えば、キャリアーがなくてもバイクのハンドルバーやフロントフォークにしっかりと固定することができます。また、ポールは固定する際に収まりがいい長さに設計されているのです。

防水式の収納袋を採用している
バイクに搭載することを想定したサイズ感が絶妙

 バイクパッキングは、オートキャンプと異なり、荷物の積載容量に限りがあります。必要最低限のギアを取捨択一せねばならず、少々ハードルの高い遊びに思われがちです。しかし、登山者にとってこれは慣れ親しんだ作業で、様々な共通点があります。

 ウルトラライト、とまではいかずともギア選び自体を楽しめる方には、おすすめしたい遊びです。遠くの山に行きづらい今の時期は、自転車にテント泊装備を積んで、近場を走り回ってみるのも悪くないですよ。

 

■問い合わせ先

イワタニ・プリムス

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