■これからはもっと多くの人にアウトドア体験を提供したい

著書ではグリル料理から煮込み料理まで、56品もの焚き火料理を紹介している

ー年齢を重ねて、アウトドアとの関わり方は変わってきましたか。

 年々体力が落ちてきて、お店を始めたこともあり、あまり自分の時間がとれなくなってきたかな。でも、遊びに行かないと新しいアイデアも生まれないので、そこのバランスを上手くとりながらしっかり自分も遊びたいですね。

ー今後はどのような活動に重点を置いていくつもりですか。

 今までは、雑誌や本を通じて不特定多数の人たちに知識や情報を紹介してきたつもりです。でも、これからはお店やイベント、ツアーなどを通して、直接顔を合わせて体験を提供していくのもいいかなと考えています。アウトドアはもっと自由に楽しんでいいんだということを、たくさんの人に知ってもらいたい。自分のお店や本、開発に関わった道具たちが、皆さんがアウトドアを楽しく始めるためのきっかけになってほしいです。

■料理を通して、焚き火の魅力が伝わればうれしい

誌面からはキャンプの熱や匂いまで伝わってくるよう

ー新しい著書「焚き火料理の本」は、どのような本ですか。

 今までダッチオーブン料理や燻製、登山用の料理などの書籍を出してきましたが、今回は焚き火を使ったキャンプ料理のレシピ56品をまとめました。

ー焚き火で料理をするおもしろさとはなんでしょう。

 上手く火をコントロールして料理を仕上げられるかどうか、ではないでしょうか。料理を通して、焚き火の魅力が伝わればうれしいです。

ー56品紹介している中でも、特におすすめの料理を教えてください。

 スモークしながらじっくり焼き上げた「炙り牛」、焚き火に直に置いて焼いた「スモーキーグリルニンジン」、ベジタブルバスケットという道具で焼いた野菜と冷凍パイを使った「グリルドベジタブルパイ」は特におすすめです。

おすすめの1つ「スモーキーグリルキャロット」

ーコロナ禍以降、キャンプや焚き火が流行っていることに思うところはありますか?

 生活が大きく変化したことで、発散の場として注目されているのだと思います。だからこそ、皆さんそれぞれが思いやりを持って、マナーを守って楽しんで欲しいです。

ーそうした新たなユーザー層に本や活動を通して伝えたいことを教えてください。

 焚き火は炎を眺めるだけでも癒されます。徐々に上達してくると、必要最低限の量の薪で効率よく火を灯し、暖をとり、調理ができるようになります。上級者の焚き火は、とても上品でお洒落なものです。上手に火を操れるためのコツや料理など火を使った楽しみ方を伝え、皆さんの日々の営みに火を灯していきたいです。