秋に注目したい虫のひとつが、「チョウ目ヤママユガ科」に属する蛾たちだ。

 この蛾たちの最大の特徴は、なんといってもその大きさ。大人の手のひらサイズほどのものもいる。そのような巨大蛾たちだが、じつは意外と身近な場所で出会うことができる。

 早速、紹介していこう。

■巨大な蛾「ヤママユガ」

  ヤママユガ科に属する虫にはさまざまな種がいるが、もっとも代表的な種は「ヤママユ(ヤママユガ)」だろう。そのサイズは、はねを広げると12〜15cmほど。大人が手のひらを広げたときと同じくらいの大きさだ。

ヤママユ。模様や色味にはバリエーションがある

 ヤママユだけが特別に巨大なのかというと、そうではない。ヤママユ以外でも、日本に生息するヤママユガ科に属する蛾たちのほとんどの種は、10cm前後の大きさを持つのだ。

 ちなみに、日本最大の蛾は「ヨナグニサン」である。こちらもヤママユガ科に属する蛾だ。大きいものでは、30cmほどにもなる。もはや、大人が両手のひらを広げたほどの巨大さなのだ。

ヨナグニサン

 僕は沖縄で実際にヨナグニサンを観察した経験があるが、ヨナグニサンが飛翔する様子は、もはや虫のイメージではなく鳥級の迫力である。

■大きさだけでない、ヤママユガの姿の魅力

 ヤママユガの仲間の大きさはインパクト十分だが、その姿には大きさ以外の魅力も多くある。

 そのひとつに「眼状紋(がんじょうもん)」がある。眼状紋とは、はねにある「大きな目玉のような模様」のことだ。眼状紋を持つのはヤママユガの専売特許というわけではないが、その大きさと相まって非常にインパクトのある姿だ。この模様は、天敵から身を守るのに役立っていると言われている。

 たとえば、ヒメヤママユは眼状紋を使って、フクロウの顔のような姿に擬態している。自身を強者の動物の姿に似せることで、敵からの攻撃されにくくしているのだ。

ヒメヤママユ

 また、ヤママユガの仲間は毛が多く、もふもふした姿のものが多い。その姿は、まるでぬいぐるみのようだ。「巨大な迫力のある蛾」のイメージからは打って変わって、かわいらしい一面があるのも魅力である。

ヒメヤママユのもふもふの体