◼️【避暑ルート2】八ヶ岳・桜平から硫黄岳

硫黄岳山頂付近には火山らしい荒々しさが残る

 八ヶ岳で夏の涼しさを狙うなら、桜平を起点に硫黄岳を目指すルートがおすすめ。桜平は八ヶ岳の登山口の中でも比較的標高が高い。桜平には上中下の駐車場があり、上部の駐車場まで入れば(標高1,900mほど)、さらに標高を稼いだところから歩き始められる。

 歩き出しはシラビソなどの原生林に囲まれた登山道を進み、標高2,060mの夏沢鉱泉を経て、夏沢峠へと出る。森林限界を超えると、そこから先は登山道の雰囲気と景色が一変し、標高2,760mの硫黄岳を目指す。前半は涼しい樹林帯、後半は一気に視界が開けるという変化が魅力的なルートだ。

桜平までは少々ワイルドな林道が続く

 山頂からは八ヶ岳の主峰群や北八ヶ岳方面を見渡すことができ、「涼しさ」と「山に登った充実感」の両方を味わえるルートだろう。

◼️【避暑ルート3】上日川峠から大菩薩

初心者にもおすすめできる歩きやすさも魅力

 最後は、山梨県の大菩薩嶺。

 標高約1,600mの上日川峠まで車やバスで上がり、そこから大菩薩嶺を目指す。大菩薩嶺は標高2,057m。東京からアクセスしやすく、初中級者でも比較的登りやすい日本百名山として、人気を集めている。

登山口となる上日川峠には駐車場や山小屋、トイレなど施設が充実しているのも頼もしい

 上日川峠からは樹林帯を歩きながら高度を上げ、まずは大菩薩峠を目指す。峠に出ると視界が大きく開け、富士山や南アルプスを望む気持ちのいい稜線歩きが楽しめる。そのまま大菩薩嶺まで足を延ばして周回するのもおすすめだ。

大菩薩嶺周辺は、絶好の富士山のビュースポットとしても知られる

 今回の3コースの中で、登山口の標高はもっとも低いものの、アクセスのしやすさと歩きやすさ、そして稜線からの展望を考えると、夏の日帰り登山ルートの候補としては優秀な選択肢となるだろう。

 暑さが厳しいからといって、山歩きをあきらめる必要はない。標高の高い登山口を選べば、歩き始めから、すでに下界とは違った空気を味わえる。暑い夏も残りわずか。「できるだけ高いところから歩き始める」という発想で、涼しい山へ出かけてみてはいかがだろうか。