◼️試しに海面の写真を拡大してみると……
その風景は、思いがけないかたちで現れました。
船旅から数年後、撮りためた写真を整理していたときのことです。試しに海面の写真を拡大したり、回転させたりしていると、海だったはずの写真が、不意にまったく別の姿を見せたのです。
それはまるで、極地の湖沼群のようでもあり、顕微鏡で覗いた何かの細胞組織のようでもありました。もちろん、これらはどこまでも海の写真です。それでも、自分には美しく不思議な風景に見え、しばらく目が離せませんでした。
これらの旅を通して知ったのは、見慣れた自然のなかにも、思いもよらない景色が潜んでいることです。
それ以来、自然のかたちや模様を眺めたり、それを写した写真を見るたびに、新たな発見がないかと意識するようになりました。カメラを持って外に出て、こうした小さな発見を楽しむことも、写真のおもしろさのひとつだと感じています。